銀魂

□商社・真選組2
1ページ/3ページ

商社・真選組の海外事業部部長の近藤と課長の土方は接待相手を呼んでたタクシーに乗せ終わってほっと息を付いた。

今日は部長の近藤と課長の土方で海外からきた取引相手を接待でもてなす日だった。
選んだ料亭を気に入ってくれたらしく、上機嫌で帰った取引先にほっとして、二人は駅に向かって歩き出す。


取引相手にはタクシーチケットを渡してあるが、自分たちは経費節減のためにタクシーなどは使わない。

「雨が降りそうだな。」
土方は夜空を見上げ呟いた。
空には厚い雲がかかっている。

「そうだな。
いそぐか。」
近藤の言葉に二人は足早に駅に向かうが、途中でぽつぽつと雨が降り始めた。

すぐに雨は強くなる。

ちょうどその時、足早に歩く二人の目に「スナックすまいる」という看板が飛び込んできた。
土方は接待以外ではそういう店に行きたいとは思わないが、ぬれねずみになるよりはましだ。

二人はその店に入ることにした。

一時間ほど飲んで、雨がやんでなかったら店に頼んでタクシーを呼んでもらえばいい。
自腹になってしまうが仕方ないだろう。

「いらっしゃいませ。」
扉を開けるとそう声を掛けられる。
「二名様ですか?」
ボーイらしき男が聞いてくる。
「そうです。」
近藤が答えると二人は席に案内された。

とりあえず店のセット料金外にはなるが、近藤は日本酒、土方は焼酎を頼んで出されたおしぼりで手を拭く。

その後はそんなにぬれたわけではないが、おしぼりで肩に付いた雨をぬぐっていた。

その時、
「いらっしゃいませ。
雨、大丈夫でしたか?
よろしければお使いください。」
と声を掛けられ、近藤と土方は顔を上げる。

そして固まった。

自分たちに向かってタオルを差し出していたのは沖田総悟の妻、九兵衛だったのだ。
ロイヤルブルーのカクテルドレスはロング丈だがサイドスリットが深く入っており、ホルターネックで胸元は開いていない代わりに白い腕と細い肩は惜しげもなく見せている。
どこからどう見ても、キャバ嬢にしか見えない。

九兵衛も客が近藤と土方だと気が付いてタオルを差し出したまま固まっていた。

そんな様子に気が付かずに、ボーイが
「当店のナンバー2、九ちゃんです。」
と暢気に紹介していた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ