銀魂

□商社・真選組
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商社・真選組の海外事業部課長、土方十四郎は取引先との交渉を無事に終えて、社に戻る途中だった。

そろそろ昼になる時刻。

部長の近藤からは昼飯をどっかで食ってから戻ってきていいぞと言われていたが、早く交渉の内容を伝えたくて土方はまっすぐに帰社することにした。


足早に歩いていた土方は小柄な女性が二人の男に絡まれているのに気が付いて足を止める。

ここはオフィス街だが、柄の悪い会社もある。
土方の勤めてる真選組だって、そんなに柄がいいとは言えない。

女性に絡んでる男たちはスーツをだらしなく着崩していた。
顔もいかつい感じで、小柄な女性があんなの二人に絡まれたらさぞ怖いだろう、そう思った土方は他の通行人が見てみぬふりをする中、その三人に近寄っていった。

が、突然、男二人が次々に宙を舞って地面に転がり、土方は驚いた。

他の通行人も呆然としてその様子を足を止めてみていた。

「うるさい、いい加減にしろ!!
僕は急いでいるんだ!」
男二人が地面に叩きつけられたため、男たちの影に隠れるようになっていた女性の姿が土方にもよく見えた。

体に添うようにカッティングされたワンピースをきた女性は女性というよりは少女だった。
小柄だとは思っていたが体の線も細い。
こんな少女が大の男二人を投げ飛ばしたとは思えない。

長い黒髪はポニーテールにしていて、つり上がり気味の大きな目をしていたが、左目には白い肌には不釣合いな黒い眼帯がつけてある。

少女は通行人の視線に気が付くと、真っ赤になって足早に歩き始めた。

騒ぎの中心人物がいなくなったためか、通行人が動き出す。
それにつられたように土方も会社に向かって歩き出した。
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