銀魂

□The secret is necessary
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その機嫌が急激に悪くなったのは、銀時が
「でははじめまーす!!
ドキッ☆侍だけの水中騎馬戦大会!!」
と叫んだときだった。

「馬鹿野郎!!
そんなことすんな、上様の前で!!!」
そう叫んだ土方に銀時が黙ってこっそりと指をさす。
指を指した方向をみて、土方は愕然とした。
(やる気満々じゃねぇーかっ!!)
将軍はすでにボードを抱えてスタンバッていた。

「と言うわけだ。
はい、今回は男が馬な、これ決定な。
俺は将ちゃんの馬な。」
「いや〜ん、あたしは銀さんに馬乗りになってほし〜い!!」
と叫んだメガネ女に蹴りを入れて、銀時はさっさと将軍のそばに行く。

「騎馬戦ときいたら黙ってられないよなぁ、おじさんもやっちゃおうかなぁ〜。
おじさんも楽しいこと好きだからして。」
そう言って松平がパーカーを脱ぐ。

「おいおいおいおい!!
あんた警察庁長官だろ!
なんで一緒に遊んでんだよ!」
土方はそういったが、
「ト〜シ〜。
人生には遊びも必要だからして。」
と松平は気にしてない。
「いやいやいや、あんたこの警備の一応責任者だろうが!」
「そうだぞ、トシのいうとおりだ、とっつあん!
それに、お妙さんのポロリは俺のもの…」
言いかけた近藤は妙に吹っ飛ばされた。

「仕方ねぇ、俺がいきまさァ。
男どものかすかな期待を粉々に打ち砕いて、絶望のどん底に叩き込んでやるぜィ。」
総悟は愛用のバズーカを構える。

「も、好きにしろ。
どうでもいいや。」
呆れた土方はそう言ってプールに背を向けた。

「いいんですかィ、そんなこと言って。
柳生の嬢ちゃん、普段はあんな水着着たことねぇでしょうねェ。
着た事ねェから勝手も分からず、案外まっさきに負けちまうんじゃねぇですかィ?
それに、普段があんなんなだけに、あんなかっこしてると結構かわいいじゃねぇですか。
ほら、隊員たちも結構見てますぜィ。」
総悟が、土方の耳に囁いた。

その言葉に土方はあわてて周りを見回した。
そして気がついた。
確かに、警備にあたってる他のやつらがチラチラと九兵衛を見ている。

普段は男みたいな格好をしている九兵衛は、服の上から体の線などは見えないが、今は水着で、服の上からは分からない体の線もわかる。
普段、刀を振りまわしているとは思えないほど細い体なのに、隣にいる妙よりよほど女らしい…って何を考えてるんだ、俺は!

「そんなの関係ねぇよ、知るか。」
そう言って背を向けた土方に総悟は
「そうですかィ。」
と言った。
しかし、本当は気になってしまう。

一方、銀時は妙に
「てめぇらの思惑なんか分かってんだよ!
誰がそんなのやるか!」
と殴られていた。

いい気味だ、そう思っていた土方は次の瞬間、目を疑った。
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