銀魂

□日直の日
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今日も一日の授業が無事に終わり、土方は立ち上がる。
今日は日直なので黒板を消さなければならない。
その時、
「土方くん。」
と声をかけられた。

振り返ると、自分と一緒に今日の日直をやっている柳生九兵衛が立っていた。
男のような名前だが、れっきとした女子で、制服もセーラー服を着用している。
ちょっとワケあり美少女として転校してきた当時は制服の下にジャージを着用していたが、いつの間にかジャージも着用しなくなり、すっかり女子らしくなった。

だが、世間知らずで、神楽や沖田の嘘を信じてしまう様子をかわいらしいと思っていることはあまり認めたくない。

「どうした、柳生。」
土方が聞くと九兵衛は
「日誌。
僕だけが全て書くのもどうかと思うから、総評くらいは土方くんが書いてくれ。
僕は黒板を消しておくから。」
と言った。

一人称は僕だが、見た目が細くて小さい九兵衛に何もさせたくないと土方は勝手に思っている。
それで、日直の仕事は日誌書きだけやってもらっていたが、九兵衛はそれが気にいらなかったらしい。

「いや、もう総評だけ書けばいいならお前が書けばいいだろ。」
と土方は言ったが、九兵衛は面白くなさそうに
「黒板消しくらい、僕にだってできる。
とにかく、日誌は土方くんに頼んだ。」
と土方に日誌を押し付けてさっさと黒板に向かって歩いていく。
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