黒子のバスケ

BELOVED
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「マネージャーに相談したいことがあるんです。
オレ、一軍になりたい、だからオレに何が足りないか、桃井さんが思うことを教えてください。
放課後、時間作ってもらっていいですか?」
そう三軍の選手に言われて、さつきはいいよと言った。

さつきはバスケが好きだから、同じバスケが好きな部員のために、相手が三軍だろうと頼まれれば個別の練習メニューを作ったり、相談にも乗ってきたりした。


だけど、彼の目的はバスケじゃなかった。
彼に呼び出された第二視聴覚室で待っていたのはやはりバスケ部に所属する2人の男子と、今スマホを構えている三年生の女子。

彼女は、自分の好きな男の子がさつきを好きだと知って頭に来て、バスケ部の生徒に頼んでさつきを呼び出し、襲うように言ったらしい。
その様子を撮影する気でいる。

「やめて下さい、離して下さい。
同じバスケ部の仲間でしょう?」
さつきはできるだけ冷静に言うけど、男達はニヤニヤしてる。

「オレはあんた目当てでバスケ部入っただけで、なのに練習きついし、主将厳しいしさ、イライラしてたんだよね。」
「そうそう、キセキの世代で桃井さんを独占してるしさ。
桃井さんとヤれて、キセキの世代にもダメージ与えられるなんて一石二鳥じゃね?」
「ああ、あいつら調子乗ってんもんな!」

笑う部員達にさつきは頭にきた。
「よく同じ部活の仲間をそんな風に思えるね?!
みんなは調子になんか乗ってないよ!
人一倍、誰よりも努力してるよ!
きーちゃんはあの短期間でみんなに追いつこうと必死だし、ムッくんだって練習嫌いだけど負けるのはもっと嫌いだからって練習一生懸命してる!
大ちゃんなんかエースなのに練習量は誰より一番だよ!
私はミドリンほど自分に厳しくてストイックな人を見たことないし、テツくんも自分を殺してみんなのためにパスを極めてる!
赤司くんだって、100人以上いる部員をまとめ上げながら自分の練習も欠かさない!
それなのになんでそんなこと言えるの?!」

頭に来て自分の上にいる男子を睨みながら言ったら
「うるせーな、ちょっと黙っとけ!」
さつきは平手打ちをされて意識が飛びかけた。

飛びかけた意識の中、制服のリボンタイとボタンがゆっくりと外されていくのが分かる。

だけど一度叩かれた恐怖を知ったら、また叩かれることが怖くて何もできない。

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