黒子のバスケ
□BELOVED
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なんでこんなことになってるの?!
さつきは自分の上にいる男を精一杯睨みつけているけれど、男は笑ってさつきを見下ろしている。
さつきは視線をスマホを構えている女生徒に移すけど、彼女はうすく笑ってスマホごしに男達に押さえつけられているさつきを見ていた。
ふいに、黒子の言葉を思い出す。
「優しいのは桃井さんのいいところですが、全ての人に優しくする必要はないんですよ?」
黄瀬の言葉も思い出す。
「桃っち、人間はみんないい人と思ったら間違いなんスよ?」
そういえば、紫原も言っていた。
「さっちんはちっちゃいんだから、気をつけなくちゃだめだよ?」
緑間にも言われたっけ。
「お前は優秀なのに自分の事に関しては鈍感すぎるのだよ。
もう少し、自分を客観的に見た方がいい。」
青峰にも言われていた。
「とにかく絶対に知らない男とむやみやたらに二人きりになるな。
多少知ってるくらいの男とも二人きりになるな、そういう状況を絶対に作るな。」
赤司からも
「桃井はもう少し気をつけたほうがいい。
色々なことに対して。」
と言われていた。
私、別に全ての人になんか優しくないよ、テツくん。
ただ、同じバスケ部の仲間の力になりたかっただけなの。
人間はみんないい人なんて思ってないよ、きーちゃん。
だって、キセキの世代の専属マネージャーみたいになってから、随分と人からいわれない中傷をうけたもの。
だけどやっぱり、心の底から腐りきってる人がいるとも、思いたくはないだけだったの。
ちっちゃいんだからってムッくんは言うけど、私ね女の子としては背が高いほうだよ?
けど男の子の力にはやっぱりかなわないね。
ミドリン、私、一応自分を客観的に見てるよ。
自分の容姿がそれなりに人から羨望や嫉妬の対象になることは、理解してる。
理解してるだけだったけど。
大ちゃん…多少知ってるくらいの男じゃないよ、同じバスケ部の仲間となら大丈夫だって思って二人きりになったの。
赤司くん、私、それでもやっぱり危機感が足りなかったのかな?
さつきはそんなことを思いながらもがいたけど、3人の男に押さえつけられた体はびくりとも動かなかった。