黒子のバスケ
□変わらぬ想い
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帝光中学の卒業式が終わった。
黒子と話すなら、もう今日しかない。
さつきはそう思って、卒業式が終わるなり必死で黒子を探した。
そして見つけた。
儚くて淡い水色を。
アイスの当たり棒をもらったその日から、さつきは黒子を見つけるのが誰より上手くなった。
好きだという気持ちを持つだけで、こんな風に変わるなんて、自分でも信じられなかった。
だけど黒子に恋をして、さつきの世界はみずみずしいものになって、そして黒子を見つけるのは誰より上手になった。
なのに全中三連覇の後に引退を待たずに黒子が退部届けを出した後は、どんなに頑張っても黒子を見つけられなくなって…だけど、どうしても話がしたかった。
もう、さつきには今日しかないから必死で探したのだ。
そして見つけた。
「テツくんっ!
テツくんっ!!」
さつきは叫ぶ。
その声に周りにいる生徒も振り返ったけど、さつきはそんなことに構っていられなかった。
「待ってテツくん!!」
叫んで、黒子が振り返ってくれたとき、さつきは安堵なのかなんなのか、自分でも分からないけど涙がこぼれて止まらなかった。