黒子のバスケ

紳士の開戦宣言
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桃井さつき。

その名前を聞いたのは、あまり他者に興味のなさそうな紫原の
「さっちん、元気かな?
よく練習終わった後、お菓子くれたのになー。
今はオレにお菓子くれる人いねーし。」
というボヤキが初めてだった気がする。

他者には興味のなさそうな紫原だけど、中学の時のバスケ部のメンバーは別らしい。
紫原が他の人の話をするとしたら、大体が中学の時の部活のメンバーだった。

そんな中で、『赤ちん』の次によく出てくる名前が『さっちん』だった。
お菓子をくれる優しい女の子。
だけど試合の時は赤ちんやみどちんも頼るほどすごい頭がいい。
さっちんほど可愛い女の子はいない。
峰ちんのお守りをするために峰ちんと同じ学校に行った。
オレは学食がおいしいから陽泉においでっていったけど、峰ちんのお守りするために峰ちんと同じ学校に行っちゃったんだよ。
オレだけじゃなくて、赤ちんもみどちんも、黄瀬ちんも黒ちんもみんな、さっちんに同じ学校きて欲しいって言ったんだけど、桐皇に行ったんだよねー。

紫原は繰り返しそんな話をしてくれたから、会ったこともない桃井さつきという女の子のことを、氷室はよく知っていた。

それに、彼女のいる桐皇は、WCではタイガのいる誠凛と戦っていた。
最終的に負けたが、青峰大輝と言う男の実力はよく分かった。

あの後、タイガと和解して、その時にタイガからも桃井さつきのことは聞いた。
見た目は可愛いが、情報収集と分析、そこから導き出される作戦にはかなり苦戦させられた、選手と同じように真摯に真剣にバスケに向き合ってる女だ、タイガはそう言っていた。

実際、WC会場で見た彼女は可愛い子だった。
この子がそんなにすごいのか、氷室の興味は自然とさつきに向いていた。

だからGWにキセキの世代で集まると紫原に言われた時、氷室は自分も行きたいといってみたのだ。

紫原は別にいいんじゃんとあっさりと言って、氷室はさつきと会う事ができた。

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