黒子のバスケ

七色キセキの芸能活動
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「語尾がなのだよで占い信者ってなんなのだよ、この役は?!」
ギターの緑間が台本を読みながら顔を顰めた。

「ミドリン、もうすでに語尾がなのだよになってるのだよ。」
さつきがくすっと笑ってかりんのはちみつ漬けを口にする。

「さっちんもなのだよになっているのだよ。」
ドラムの紫原がポテトチップを食べながら笑う。

「なのだよならいいじゃないか。
『僕に逆らうやつは親でも殺す』って何これ?
こんな役を僕がやるのか?」
赤司がこめかみを押さえる。

「オレの『オレに勝てるのはオレだけだ』もありえねぇし。」
青峰は顔を顰めたまま台本を放り投げた。

「でもこれ、僕たちのことよく調べ上げてかかれてますね。
ほら、さつきさんの僕たちの呼び方とか…普段の呼び方そのままじゃないですか。」

黒子の言葉に
「だけどオレの語尾っスはないっスよ。
それになんでこんなにしばき倒される役なんスか?」
ベースの黄瀬が不満げに言った時、控え室のドアが開いた。

「次は雑誌のインタビューがあるいうたやろ?
準備はすんだん?」
入ってきたのは七色キセキのチーフマネージャ・今吉翔一だった。


七色キセキ…今、日本で一番人気を誇るバンドである。
ツインボーカルの赤司征十郎と桃井さつき、ツインギターの青峰大輝と緑間真太郎、ベースの黄瀬涼太、キーボードの黒子テツヤにドラムの紫原敦…中学時代の同級生七人で結成されたこのバンドはデビューするやいなや瞬く間にチャートのトップに躍り出た。

その人気絶頂の七人に新しい仕事が舞い込んできた。
『黒子のバスケ』というドラマへの出演だ。
全員が自分の名前のままで、できるだけ自分たちに近い性格のキャラ設定になっている。

「今吉さん、この仕事なんですけどなんで引き受けたんですか?
僕たち、演技なんかしたことないですし、一応高校生なので、あんまり忙しくなると勉強に差し支えるんですけど。」
赤司がコンサートの前に渡された台本を今吉に示す。

黄瀬とさつきはモデルやグラビアの仕事もこなしているが、基本的に七色キセキの七人はバンド活動が主である。
まだ高校生で、全員同じ藤巻学園の芸能科に通っているが、学業をできるだけ優先させることが親との約束でもある。

「っていってもなぁ…楽しないか?
全員でドラマに出られるんやで。
おもしろそうやん。」

「今吉さんには何をいっても無駄だよー。
この間のグラビア撮影だって、車に乗ったら行き先空港で、いきなりハワイに連れて行かれたんだよ!
それで写真集作ることになったからだって!
現地でいわれたんだよ?!
ありえなくない?
若松さん涙目で謝ってきたから許すしかなかったけど…。」
「パネェな、今吉。
オレ、そんなことされたら良にキレッわ。」
青峰が呆れている。

「そうや、ワシがそういう男やってみんな分かってるやろ?
だからあきらめ。
はよシャワー浴びて用意しいや。」

今吉の言葉に全員諦めてため息をつく。
こうして、七色キセキの黒子のバスケへの出演が決まった。

END


七色キセキのチーフマネージャーは今吉さん。
あとは売れっ子なので七人それぞれにマネージャーがついてます。
さつきには若松さん。
黒子には火神くん。
赤司には実渕さん。
緑間には高尾くん。
青峰には桜井くん。
紫原には氷室さん。
黄瀬には笠松さん。
でもBLじゃないです。
このサイトにBLは一切ないです。

さつきと青峰は幼馴染です。

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