黒子のバスケ

笑顔を願う
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一年のWCが終わった後から徐々に絆を取り戻していったキセキの世代の赤司・緑間・黄瀬・青峰・紫原と、幻のシックスマン黒子、そしてマネージャーのさつきはみんな同じ大学に進学した。
そこでも全員バスケをやっている。


さつきは人文学部心理学科でスポーツ心理学を専攻した。
高校三年生になってすぐに進路調査票が配られた時、
「お前、これからもずっとオレのそばにいんだろ?」
とさも当然のように青峰にいわれ、さつき自身、ああそうなるんだろうな…と思ったからだ。

そして青峰のそばにいるんだったら彼のサポートを自分に出来る全てでしたいと思ったのだ。
青峰のそばにいる、彼のサポートをする、そう決めた時に、黒子への恋心も自分の中で決着をつけた。

本当に好きだった。
黒子テツヤという人は、さつきの特別だった。
彼がいなかったら、今の青峰もいなかった。
そう黒子に言ったら、黒子は笑っていった。

「僕もあなたが好きでしたよ、桃井さん。
女性として好きでした。
でも、あなたの心の中から青峰君の存在が消えることもないのは分かってたました。
桃井さん、愛情っていうのはいずれ落ち着いていくものなんです。
それでも男女が一緒にいられるのは、愛情の愛がなくなっても情が残るから。
けれど、あなたの情はもうすでに青峰君に注がれている。
愛がなくなった時に、あなたの情は僕に残らないでしょう。
そう思ったから、あなたの幸せを願ったから僕はあなたの想いを受け入れることはできなかったんです。
でもあなたみたいな人に一途に好きだと言ってもらえた事は僕にとって幸せでした。」

そうしてさつきの恋は終わった。
赤司も緑間も黄瀬も紫原も、そして青峰もそれは分かったけど、何も言わなかった。

青峰の隣にさつきがいること、それは他のメンバーにとっても自然なことだったからだ。

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