黒子のバスケ

□キスの定義
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髪なら思慕のキス→若松

「今吉先輩が寛大すぎたんです。
若松先輩の言うことの方が正論ですよ。
だから、気にしないで若松先輩は若松先輩の主将をすればいいんです。
青峰くんのことは、私が引きずってでも連れてきますから。」

三年が引退し新主将になった若松だけど、若松は青峰のあの態度を今吉ほど寛容できない。
練習に遅刻してきた青峰を練習後残して怒ったら殴られそうになった。
それを止めたのはさつきだった。

「先輩に向ってなんてことするの?!
第一、大ちゃんだって本当は自分が悪いって分かってるんでしょ?!
若松先輩の方が正論だって分かってるんでしょ?
それなのにそんな態度はよくないよ!」

さつきの言葉に青峰は舌打ちをしたけど、それ以上は何も言わず、若松に本当に軽くだけど頭を下げた。

それに若松が驚いてるうちに青峰は部室に戻ってしまったけど、桃井は若松のそばにいてくれた。
そして、
「やっぱ今吉さんみたいにはいかねーな…」
と呟いた若松に冒頭の言葉を言ったのだった。

ああ、そうか。
今吉さんがあんだけ青峰に寛大でいられたのは桃井がいたからか…若松は納得した。

料理の腕は壊滅的だけどスタイルもよくて可愛いマネージャーが常に自分のフォローをしてくれているんだ、アホ峰に寛大になれるはずだ。

すげぇな桃井、でもオレももう青峰に寛大になれるわ。

さつきは若松の顔を覗き込んでいた。

「私達も早く帰りましょう。
監督に怒られちゃいますよ?」

やべぇ、まじ可愛いわ。
でもこの可愛い子がアホ峰の幼馴染なんだよな、そう思うとやっぱり寛容になれねーな。
若松はそんなことを思いながら自分を覗き込んでるさつきの長い髪に自然と指を絡ませていた。
そしてその髪にそっと唇を寄せた。

ああ、オレ、この可愛いマネージャーに今。
恋をしたんだ。

END

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