黒子のバスケ
□君が好きだと叫びたい
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「うるせーなぁ!!
テツ君、テツ君ってそんなにあいつがいいなら、誠凜に行けばよかっただろ!!」
いきなり青峰に怒鳴られてさつきはきょとんとしてる。
怒鳴った青峰の方は内心でやっちまった…と思っていた。
さつきは幼馴染で、だけどいつからかそれ以上の存在になってて…。
なのに、自分たちは近すぎたのだと思う。
さつきが好きになったのは自分じゃなくて黒子テツヤだった。
それでもさつきは黒子と同じ誠凛じゃなくて、自分と同じ桐皇をえらんだから、もしかしたら…なんて思ってたのに。
思ってたのに…、いつだってこいつは『テツ君、テツ君』と黒子の話ばかりしている。
青峰はそれに我慢してたけど、もしかしてなんて気持ちがあったせいか、ついに頭にきて怒鳴りつけてしまった。
「大ちゃんってやっぱりバカだね。」
しばらくきょとんとした顔をしていたさつきはやがて肩をすくめてそう言った。
「俺のなにがバカなんだよ?!」
少しだけおさまりかけていた怒りはその言葉に再び燃え上がる。
「バカってもしかして俺のことか?!」
「うん。
テツ君は別に私が居なくても大丈夫だけど、大ちゃんは私がいないとだめでしょ。」
「はぁ?」
さつきの言葉に青峰は思わず聞き返していた。
「大ちゃんの面倒なんか見られるの、私だけでしょ。
すぐに部活はサボるし、暴れることもあるし。
それにバスケバカ。
そんな大ちゃんの面倒見れるの私だけだもん。」
さつきはにっこりと笑った。
その顔は憎らしいほど綺麗で。
やっぱり俺、こいつのこと好きだ。
青峰はそう叫びたいくらい、さつきのことを好きだと思った。
END