銀魂

□恋人は人気タレント4
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制服のスカートははいているものの、上半身はブラしかつけていない状態で九兵衛はこちらに背中を向けてベッドに腰掛けている。

九兵衛は腕を伸ばして、ベッドの上にあるブラウスを手に取る。

それに腕を通そうとした瞬間、同じベッドの中にいた上半身は裸の男が起き上がって九兵衛の背中に手を触れる…はずが男が起き上がって九兵衛の背中に抱きついた。

「えっ?!」

「カット!!
ちょっと山崎くん、何してんの?!
そこは背中に触れるだけでしょうが!」

監督の声に我に返ったように男…山崎退は頭を下げた。

「すいません!
なんかつい本当の恋人気分になっちゃって!
本当にすいません、柳生さん!」

必死で謝る男に九兵衛はカットの声と同時にヘアメイクが渡したバスローブを羽織り、前をかき合わせると振り返って笑った。

「いいえ、大丈夫です。
本当の恋人気分になってもらえるほど、演技にのめりこんでるってことですよね。
監督、ここは彼女の気持ちが徐々に離れてることを感じて、彼は焦ってるところでしょう?
これくらいした方が必死さが出てていい気がします。
このまま触れるんじゃなくて、抱きしめるでやってみませんか?」

九兵衛の言葉に俺の隣にいた総悟が
「山崎消えろ。」
と呟いたのを、俺は同感だと思いながら聞いていた。
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