銀魂

□闇に射し込む光
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「とても大事な話があります。」

九兵衛がそう言って敏木斎と輿矩、四天王を呼び出したのはそれから三日後の事だった。

「おじい様、父上、お二人は僕にこれからはお前の好きなように生きよとおっしゃいました。
ですから、好きに生きさせてもらいます。
僕は柳生家を継ぎます。
いえ、分家や門下全てを含め、僕より強いものはいませんので、僕が柳生流を継ぐのが妥当かと思います。
ですが、僕は跡取りは産みません。
結婚もしません。
僕は心に決めた男性がいます。
彼と結ばれることは叶いませんが、僕は彼を愛しています。
ですから、柳生の血は僕で絶えます。
それが嫌でしたら、今からでも遅くはありませんので再婚なさってください。」

自分が亡くなった妻を忘れられずに九兵衛を男として育てることを選んだ輿矩は九兵衛に何も言えなかった。

だけど、九兵衛の代で柳生家を絶やすわけにいかない。
そして、九兵衛にこれ以上、何かを求めることはできない。
今まで18年間、自分たちが九兵衛に強いてきた生き方は、とても厳しいものだったと思うから。

だから九兵衛の後の当主のために、輿矩は見合いを始めた。
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