銀魂

□商社真選組7
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その日、土方と総悟は近藤に呼ばれた。

近藤の机の上には何かの招待状が置かれていた。
「取引先の企業から、日本支社創立50周年の記念パーティに招待されたんだ。
とっつあんが行けないから、変わりに取引のある海外事業部から何人か行けって事なんだけど、直接ここと交渉してるのは総悟だから総悟と、上司であるトシと、一応社長宛の招待状に係長と課長だけじゃまずいだろうから俺も行くからこの日、予定空けといてね。
で、総悟、相手先は
『沖田係長の奥様もぜひご一緒に』
って言ってるけど、どうする?
多分、九ちゃんが柳生財閥の一人娘だって知った上での招待だと思う。」
近藤の言葉に総悟はため息をつく。

「そういうことなら、九ちゃんはきっと出るっていうでしょうねィ。」

「そうだろうな、それじゃ総悟は九ちゃん同伴と言うことで、相手先に返事しておく。
ドレスコードだけど、準礼装だって。
タキシード、レンタル代は経費で落としてくれるって言うけど、どうする?」
近藤も土方も仕事柄パーティに出ることが多く、タキシードは自分のものを持っている。
が、総悟はまだ入社したばかりだし、18才だ。
持っていないだろう、そう思ったが
「あ、俺、タキシードもってるんで。」
と総悟が言ったので、近藤も土方もびっくりしていた。

「柳生家のパーティに夫婦で行くこともあるんでねェ。
籍入れちまったから、認めたわけじゃねェけど諦めたっていうのかねェ、そういうのに出席させられるんで。」
決して九兵衛の実家から祝福されてるわけではなさそうだが、認められてはいると聞いて土方はどこか複雑な気分だった。

それでも、総悟の同伴とはいえ、取引先のパーティで九兵衛に堂々と会えることを土方は内心で喜んでいた。
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