銀魂

□真選組一日局長
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その朝、近藤は寝起きのぼさぼさ頭で歯を磨きながらテレビを見ていた。
土方は夜間警邏を終え、布団に潜り込んだところだった。
そんな二人は屯所に現れた、破壊神と化した松平の前に引きずり出され、新聞を叩きつけられて真っ青になった。

そこには瓦礫と化した店の前でピースサインを出している総悟の写真が載っていた。
『サディスティック星の王子・沖田総悟、またまた町を破壊!!』
と大きな見出しがついていて、総悟が攘夷浪士を捕まえるついでに周りの店を破壊し、一般人にも怪我をさせたことが書いてあった。

「どうすんの、これ?!
こんなこと報道されちゃってさぁ、おじさん困るんだよねぇ。
お前らを拾った責任取らされちゃうし!
そんで真選組イメージアップ大作戦を考えたからして。
はい。
今日一日、真選組の局長をする柳生九兵衛。
しっかりイメージアップしてくれな。」

そう言って近藤と土方を鬼神のような顔で睨んでいた松平が、即座に優しげな顔に変わって部屋の外に声をかけると、顔を真っ赤にして泣きそうになって俯いてる柳生九兵衛が入ってきた。

近藤と土方は口をあんぐり開けて入ってきた九兵衛を見た。

九兵衛は真選組の幹部のみが着用を許されている隊服を着ている。
ただ、近藤や土方のものと違い、九兵衛が着ているのはズボンじゃなくて膝上20センチはあろうかというほど短いスカートとニーハイの黒のソックスだった。
目につけている眼帯はピンク色のハート型をしたもので、うっすらと化粧もしている。
髪はツインテールに結ばれていた。
普段は凛々しい柳生九兵衛だが、そんな格好をしているとアイドル顔負けの可愛らしさだった。

「幕府からの命には逆らえない。
今日一日、よろしくお願いします。」
泣きそうな顔で頭を下げた九兵衛を、近藤と土方はアホ面をさらして凝視していた。
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