銀魂

□最後の家出
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昼食時の真選組屯所。
一番隊の隊士数人は屯所の食堂に入って、そこで自分たちの隊長を見つけた。

隊長の沖田総悟が食堂で昼食を食べるなんて非常に珍しいことだ。
彼はまだ20才になっていないが、結婚して奥さんと息子がいる。
奥さんは柳生家次期当主のはずだが沖田姓を名乗り、毎日夫に弁当を作っている。
そして総悟はそれを屯所の自室で食べている。
食堂になんか用がないはずだ。

だから不思議に思った隊士の一人が
「隊長今日は弁当じゃないんですか?」
と聞いた。

総悟から少し離れて座っていた山崎が青くなって
「君達なんで地雷踏んでんの?!」
と叫んだのと、その隊士が腰を抜かしたのは同時だった。
質問した隊士の前髪が数本、はらはらと宙を舞っている。
総悟が腰の刀を抜いたのだ。
「あわわ…」
前髪を切られた隊士はワケの分からない言葉を発し、それを見てた隊士たちは青くなっている。
そして山崎はあちゃーと言った感じで額に手を当てて首を振った。

「うるせェ。
余計なこと言ってんじゃねェ。」
総悟は憮然とした表情で食べかけの昼食をそのままに食堂を出て行った。

「大丈夫?」
総悟が出て行った後、山崎が前髪を切られた隊士に近寄って立たせた。
「はい…。」
「今、沖田さん機嫌が悪いから。
ケンカして九兵衛さんが実家に帰っちゃったらしいんだ。
だから九兵衛さんと総司くんの話は絶対にしちゃだめだ。」
山崎の言葉に隊士たちはすごい勢いで頷いた。
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