銀魂

□通学恋愛
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そして、三人で駅で待ち合わせして、恒道館女子に行って九兵衛と会った時、総悟のテンションはさらにだだ下がりした。


九兵衛のクラスは浴衣喫茶とか言うのをやるらしい。
紺地に金魚の柄の浴衣を着ている九兵衛は髪を結い上げいて、とても綺麗だった。

「柳生九兵衛さん。
俺の友達で、チケットくれ…」
そう言って九兵衛のことを近藤と土方に紹介しようとした時、土方が
「九兵衛?!
九兵衛だよな?!」
と叫んだ。
「え?」
「覚えてねぇか?!
土方だよ、土方十四郎!
小学校ん時一緒だったろ?!」
「あ?!
五年生の時に転校していった土方くん?!」
九兵衛も思い出したのか笑顔になる。
どうやら、この二人、小学校の時の同級生だったらしい。

「懐かしいな〜。
お前、あの頃は男顔負けにやんちゃだったのに、すげぇ変わったなー。」
「土方くんこそ、名前言われるまで誰だか分からなかったよ。」
二人はすっかり盛り上がっている。

その時、
「九ちゃん、そろそろ始まるよ〜。」
と九兵衛と同じクラスの子が声をかけてきて、九兵衛は返事をした後、総悟を見た。
「総悟くん、一時になったら僕、当番交代になるから、その頃にまたここに来てもらっていい?
一緒に回ろうね。
それじゃ、それまで楽しんできてね。」
九兵衛は総悟に向かって手を振り、土方と近藤には頭を下げて自分のクラスに戻っていく。

「土方ァ、てめえ何で九ちゃんと知り合いなんでィ?」
九兵衛の姿が見えなくなってから総悟は土方に聞いた。
「俺、小5の時に引越ししたんだよ。
その小5まで通ってた小学校にあいつも一緒に通ってたんだよな。
女なんだけど、家の事情とかでいつも男みたいなかっこうしてたから覚えてる。
名前も珍しいし。
女なのに九兵衛ってありえねぇだろ?
なんかあいつ、すげぇでかい企業のたった一人の跡取りなんだって。
それで女なのに男みたいに育てられてたらしいって噂だったぜ。」
土方の言葉に近藤が
「え?!
嘘、マジで?!
だってあんなに可愛らしい子が?」
と聞き返す。
「俺、小5の時に転校したから後の事はしらねぇけど、少なくとも小5の時は男みてぇな格好させられてたぞ。」

土方の言葉に総悟は驚いていた。
そんな風には見えないのに。
今までそんな事、全然知らなかった。
仲良くなったと思ったけど実は自分は彼女のことを何にも知らないのだと思った。
そう思ったらなんだか急に九兵衛が遠くなった気がした。
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