銀魂

□通学恋愛
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「ごめん。」
携帯の向こうにいる九兵衛に謝る総悟に九兵衛は
「大丈夫だよ、気にしないで。」
と言ってくれたけど、総悟のテンションは下ったままだった。


5月から駅で見かけてた九兵衛に片思いをしていた。

その九兵衛が春雨高校の男に絡まれてるのを助けようとした時に九兵衛と仲良くなって、今では待ち合わせして一緒に駅まで行って学校に通う仲になった。
九兵衛の通う恒道館高校の学園祭のチケットまでもらって。

そして明日はその学園祭だ。
明日は絶対に九ちゃんに告白してやろう、そう思いながら放課後、帰り支度をしていた総悟に同じクラスで同じ風紀委員でもある近藤が話しかけてきた。

「総悟、明日トシと一緒に遊びに行こうぜ。」
「いや、俺、明日出かける予定あるんで。」
「え?そうなの?
どこに行くの?」
そう聞かれて曖昧に返答してたものの、そばに来た土方が
「本当は予定なんかねぇのに予定あるふりしてんだろ?」
と言ったのにむかっときて
「明日は恒道館高校の学園祭に行くんでィ。」
とその証拠に肌身離さず持っていたチケットを見せてしまったのだ。
恒道館女子は有名なお嬢様高校で、近藤も土方もさすがに総悟がチケットを持っていることにびっくりしたのだ。
そしていいな、俺も行きたいなを連発していた近藤がチケットに『このチケットで三名まで入場できます』と書いてあるのを見つけたのだ。
「なぁ、俺とトシも連れて行ってくれよ!
入れるって書いてあんじゃん!」
と近藤がしつこく頼んできて、困ってた総悟に土方が
「やめとけ近藤さん。
きっと、このチケットくれた総悟の知り合いは総悟と一緒で腹黒い女に決まってる。」
と言ったのにかちんときて
「九ちゃんは腹黒くなんてねぇし!
そこまで言うんなら、明日、九ちゃん紹介してやんよ!」
と言ってしまって、結局土方に乗せられる形で三人で恒道館女子の学園祭に行くことになってしまったのだ。

それでそのことを九兵衛に告げて謝ったのだ。
九兵衛はそれじゃ、お友達も一緒に明日回ろうねと言ってくれたけど、九兵衛と二人きりになれない総悟はテンションが落ち込む一方だった。
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