銀魂

□最後のHoly Night
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それなのに24日の昼、チャトラン星の大使館を攘夷浪士が占拠して真選組はその事件解決のために借り出された。
この事件、解決の仕方によっては外交問題になりかねない。
そういう事件は全て真選組に回ってくる。
見廻組や特殊部隊は失敗を許されない。
だから失敗したら困るような案件を、上は回さない。
けど真選組なら失敗しても切り捨てればそれでいい。
近藤も土方もそれを分かった上で、今までそういう事件を解決してきたのだ。

突入できるような場所を探しながら、土方が説得を試みるといういつもの手を取ることにした。
けど、相手は何も要求をしてこない。
要求をしてこない代わりに、説得にも応じない。
相手の目的が何か分からず、分からない以上はむやみに突入するわけにも行かず、真選組は困っていた。

すでに時刻は夜になっている。
総悟はイライラしつつも帰るわけに行かず、土方の目を盗んで九兵衛に電話をかけた。

「九ちゃん?」
「総悟くん?!
事件の事、テレビで見たよ。
電話なんかしてる場合じゃないでしょう。」
電話の向こうで怒る九兵衛。
「いや、約束の時間に遅れそう…」
「そんなこといいから!
分かってるから、僕は家にいるから、総悟くんは僕の事を気にせずにきちんと事件を解決することを考えなきゃダメだよ。
ね、そうしてくれ。」

さすが幕府に仕える柳生家の次期当主というべきか、九兵衛は恋人と初めてすごすクリスマスより総悟の仕事を優先してくれた。
だから余計に早く九兵衛に会いたいと思う。

屯所の自分の部屋には九兵衛に渡すために買ったクリスマスプレゼントの指輪が置いてあるし、早く取りに行って九兵衛に会いたい。

なのにただ時間は刻々と過ぎていく。
もうすでに夜の十時を過ぎている。
真選組隊士もなにも出来ない状態にイライラしているが、総悟はもっともっとイライラしていた。
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