銀魂

□花魁道中・伍
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「柳、沖田の旦那がお前をご指名だよ。」
遣り手からそう告げられた時はさすがにびっくりした。

『遊郭通いなんてこれきりにしなんし』と告げたのに、あれから一週間もしないうちの登楼だ。

4日前、高杉が身請け金を用意でき次第、自分を身請けすることが決まって、その祝いだと惣仕舞いをした。
そして同日、身請けと惣仕舞いの事を知らないで登楼した土方に高杉に身請けされることを知られてしまった。
あれから土方の登楼はない。
だから土方がどうしているのか、九兵衛にはまったく分からない。
九兵衛は総悟の登楼に驚いたものの、土方の様子を知りたくて、総悟を自分の部屋に上げることにした。

それに前回の登楼の時に耳かきをしていて
『どこに俺のそんな場所があるんでィ!』
と大声を出していた総悟を少しだけ心配していたのもある。
自分と同じ18才なのに彼は武装警察真選組の一番隊の隊長だ。
隊長という職に就きながら、部下は自分より年上の人間ばかりの中で、肩肘張らないとやっていけなかった部分はあるだろうと、自分も苦労をしたから分かる。
遊女と、治安維持のために命を懸けて戦う警察官とじゃ大違いだけど。
そう思いながら、九兵衛は自分の部屋で総悟を迎えた。
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