銀魂

□花魁道中・肆
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「ほォ。
随分ふっかけてきたじゃねェか、辰五郎。
身請け金は九兵衛の体重と同じだけの千両箱とはなァ。」
池田屋の客間で高杉は楼主の辰五郎・お登勢夫婦と向かい合っていた。

「柳の身請けの事ですが柳も身請けを了承しましたので金額について話をしたい。」
そう辰五郎から連絡があり、池田屋に赴いた高杉はそこで辰五郎とお登勢から柳の身請けの金額を聞かされた。
「柳の体重は45kg。
ですので柳の身請け金は千両箱45箱でお願いします。」
辰五郎の言葉に、さすがの高杉も内心で驚いていた。
それを顔には出さなかったが。

「言い値でいいって言ったのは旦那の方だよ。
今は江戸じゃ太夫ってランクはなくなっちまったけど、池田屋にも代々襲名されてきた雪柳太夫ってのがいたんだよ。
柳の名前はそこからとったんだ。
太夫がまだ消えてなかったら、あの子は間違いなく雪柳太夫を襲名しただろうからね。
それに高杉の旦那も知ってんだろ。
柳のお客さんは幕府の要人から大店の旦那から、幅広いんだよ。
先々週も快援隊の坂本の旦那が惣仕舞いして下さったしねぇ。
柳が身請けされるって事は、うちには損なんでねぇ。
その金額でも割に合わないくらいだ。」
お登勢の言葉に高杉は嗤った。
「そうかい。
それで、その身請け金額は俺だけじゃなくて九兵衛の身請けをしてぇっていう他のやつにも要求するんだろうなァ?
客によって金額が変わるなんてこたァねェだろうなァ?」
「あるわけないだろ。」
辰五郎が顔をしかめる。
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