銀魂

□壊れるくらい愛してる
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「トシ、そのくらいにしないか!」
俺の声にトシはやっとこっちを見た。
トシの顔はまるで鬼のようで、トシに稽古と称してしごかれていた三人の隊士は傷だらけでぼろぼろで、一人は気を失っていて、残り二人も完全にトシに怯えていた。

「もう行っていいぞ、お疲れさん。
気を失ってるやつは、このまま医務室に運んでやってくれ。」
俺の言葉に二人は壊れた人形みたいにカクカクと頷き、気を失ってるやつを二人がかりで抱えて道場を出て行った。
その時、トシの方を一切見なかった。
こんだけボコボコにされたら怖くてたまんないだろう。

俺は三人が道場を出て行った後、深いため息をはいてトシを見る。
「最近のトシはおかしいぞ?」
「俺はおかしくねぇ。
上司の恋人を可愛いとか綺麗だとか俺もつきあってみてぇとか言える方がよっぽどおかしいだろうよ?」
「まぁそうだけど、だからってあそこまでボコボコにすることもないだろう?
もうちょっと加減してくれ、な。」
俺の言葉に渋々と言った様子で頷いたトシをみながら、俺はきっとトシが加減することはないんだろうなと思った。
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