銀魂

□君がため
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「万斉様、荷物が届いてました。」
部下が自室に持ってきた荷物を受け取って、万斉は薄く笑んだ。
彼女の…九兵衛のために和菓子を取り寄せていたのだ。
九兵衛はずっと高杉の部屋から出ることはない。
それに高杉のいる間は九兵衛に会うことは出来ない。
お互いに気持ちが通じ合ってるとはいえ、九兵衛は高杉の『愛妾』。
高杉が九兵衛と一緒にいる時は、誰も高杉の部屋には近づかない。
それは鬼兵隊bQの万斉も例外ではない。
だから自分が九兵衛と会うのは、高杉がいない時だけで。
だが、最近は高杉が頻繁に春雨と話し合いに行ってしまうので、万斉はその度に九兵衛に会いに行っていた。
今日も、高杉は船にいない。
九兵衛のために取り寄せていた和菓子も届いた。
綺麗な湖面に桜の花びらが散っている場面を模した和菓子だ。
きっと喜んでくれるだろう。
万斉はそう思いながら自室を出て、高杉の部屋に向かう。
その途中で、
「万斉先輩。」
と声をかけられ、万斉は振り返った。
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