銀魂

□芽生えた気持ち
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風紀委員室で一人でプリントの用意をしていた土方は、ドアをノックする音に気がついて顔を上げた。
「はい!」
「失礼します、生徒会の柳生です。」
そう言いながら入ってきた顔をみて土方は身構えた。
入ってきた柳生九兵衛…彼女は生徒会長だ。
風紀委員は問題児が多いので、彼女はしょっちゅう風紀委員室に説教をしに来る。
けどその問題児である、柳生九兵衛の友達、志村妙にしつこくストーカーして志村妙を怒らせ殴られて吹っ飛んで備品を壊す委員長の近藤とか、留学生でやはり柳生九兵衛の友達である神楽と喧嘩ばかりして備品を壊す沖田総悟とかは上手く九兵衛から逃げ回っていて、説教を食らうのはいつも副委員長である土方だ。
九兵衛の立場と、説教をしたくなる気持ちは分かる。
『歴代で一番大変な思いをさせられている生徒会長』なんて九兵衛は言われている。
そして彼女は生徒会長をやるだけあって生徒から人気がある。
その九兵衛が大変なのは風紀委員のせいだというのは全生徒が知っているため、彼女のファンからは風当たりが強く、風紀委員は肩身がせまい。
だけどそれは自分のせいじゃねぇ、だから土方は素直に九兵衛の説教を聞く事が出来ずに、九兵衛はそんな土方にさらに怒り、二人はしょっちゅう喧嘩している。
だから今日もまた説教かよ、そう思って土方は身構えたのだ。
九兵衛は手に紙を持っている。
それが風紀委員で出した申請書だと知って、土方は顔を顰めた。
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