銀魂

□寂しさの行き着く先
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総悟は柳生家の門の前で土方と九兵衛が話しているのを物陰からじっと見ていた。
九兵衛は柳生家に乗り込んだ時に自分を女だと見破った土方を好きになってしまったらしい。
土方はあの騒動の後、総悟の姉で、本当は好きだったくせに幸せを願って突き放したミツバが亡くなったこともあってそんな気にならなかったらしいけど、『女』に目覚めた九兵衛の熱烈なアプローチに折れて付き合い始めたのだ。
離れていてもどこかで生きていてくれた今までと違い、ミツバをこの世から永遠に失ってしまった寂しさを紛らわせるためだろう、総悟はそう思ってる。
それが許せない。
姉は土方を想いながらずっとずっと武州で一人で暮らしてたのだ。
姉はずっとずっとその寂しさに耐えて一人でいたのに、土方は寂しさに耐えることもせずに姉が亡くなってすぐに九兵衛と付き合い始めたのだ。
許せるわけがなかった。
だから、九兵衛にすべてをぶちまけてやろうと思って、こうしてそのタイミングを伺っている。
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