進撃の巨人

□愛してるのはお前だけ
1ページ/5ページ

一度は一人で古城を出たものの、リヴァイは共同墓地に引き返してた。

今日はペトラが調査兵団に入ったきっかけをつくり、おそらくはお互いに淡い恋心を抱いていただろう、男の命日だということを思い出したからだ。
そんな日にペトラを一人にしたくなかったし、エレンといさせるのもイヤだった。

それでエルヴィンからの呼び出しの時間に遅れたとしてもペトラを一緒に連れて行くつもりで、リヴァイは墓地に引き返してそこで104期調査兵団兵士の中に、ジャン・キルシュタインを見つけた。

あの男…ペトラの同期にそっくりな、エレンの同期を。
忌々しい。
104期にはどうしてこんなに自分を苛立たせる男しかいないんだ。

さらに腹が立つ事に、ペトラを本部に連れて行ったら、エルヴィンから
「昨日、本部に運ばれてきたエレンを見たが、随分と精神的に不安定なようだな。
ペトラの名前を叫ぶ様子にはさすがに驚いた。
エルドからはエレンはペトラに母親を見ているようだと報告を受けたが、それならそれで、ペトラをエレンから離すな。
巨人になってしまったら殺さなければならないのだから、そうさせないようにするのもお前の務めだ。
なぜペトラを本部に連れてきたかは分からないが、すぐにペトラをエレンのそばに戻せ。
そしてペトラをできるだけエレンのそばにいさせるんだ。
それでエレンが安定するなら安いものだ。」
と告げられてペトラは古城に帰された。

あの男の命日にペトラをエレンのそばにいさせなければいけないうえに、商会の連中との会食があり、その後で古城に帰るのは無理だから本部に泊まることになっている。

自分がいなかったら、エレンがペトラに何をするのかは分からない。
本当に忌々しい。

商会の連中との会食が終わって本部に戻ったリヴァイは本部の自室の椅子を思わず蹴っ飛ばしていた。
がたんと大きな音がして、いすが倒れる。
リヴァイは舌打ちしながら、ペトラの顔を思い浮かべていた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ