進撃の巨人

□欲しいのはお前だけ
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リヴァイが心配そうな顔をしたエルドから
「エレンとペトラの関係がなにか…こう…正常なものではない気がするんです。
エレンのペトラに対する依存は度を越えてると思うし、ペトラはそんなエレンをはっきりと拒む事ができない。
このままでは色々と支障をきたすのではないか、と心配で。」
と相談を受けたのは昨夜の事だった。


確かに、それはリヴァイも感じていた事ではあった。
古城での生活が始まり、気が付いたらエレンは
「ペトラさん、ペトラさん」
と常にペトラの隣をキープするようになった。
訓練以外ではペトラしか見えていない、そんな風に感じたことは少なからずあった。

そしてペトラは戸惑いつつもエレンを受け入れている、そんな風にリヴァイは感じていた。


ペトラはリヴァイ班の紅一点だが、リヴァイ班が結成される以前からリヴァイは彼女を自分の信頼する部下として常にそばに置いていた。

そこに特別な感情がなかったといったらウソになる。
いくらペトラが巨人殺しの達人といったって、生態の詳しく分かっていない巨人相手には何があるか、分からない。
けれど自分の一番近くにいれば何が何でも巨人から守ってやれるし、巨人だけじゃなくて悪い虫からも守ってやれる。

ただでさえ女性の少ない調査兵団の中でペトラに言い寄るバカがいるかもしれない。
だけど兵長である自分がそばにいれば、ペトラに言い寄るなんてまねをするヤツはいないだろう。
それが目的でもあった。

ペトラはそれを知ってか知らずかは分からないけど、戦う事はできるけれど報告書の作成は苦手な自分に代わって事務仕事をこなしながら腕を磨いて、リヴァイのそばで常にリヴァイのサポートをしてくれた。


ペトラを自分の部下に欲しいと申し出た分隊長や班長がいたが、リヴァイはそれをことごとく断ってきた。
それだけリヴァイにとってペトラは大事な存在だからだ。

だからリヴァイがペトラとエレンの関係性に気がつかないはずがない。
エルドが進言してくるまでもなく、どうにかするつもりではあったのだ。
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