進撃の巨人
□君をいだく
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立体機動の訓練中に、いきなりペトラが気を失った。
木の上から落ちそうになったペトラをすばやい動きで抱きとめたのはリヴァイだった。
ペトラがリヴァイを慕っているのはリヴァイ班の誰もが知っていた。
そしてリヴァイの方の気持ちは明確には分からないけれど、リヴァイはいつだってペトラのことを誰よりも気にかけていたし、ペトラには優しかった。
だからきっと、兵長にとってペトラの存在は特別なんだろう、リヴァイ班のメンバーはみんなそう思っていた。
今だって必死の形相でペトラの名前を呼び、気を失ったペトラを揺さぶるリヴァイの姿は人類最強の男だとは思えない程、悲痛なものだった。
だけど、その後、もっと悲痛なリヴァイの姿を見る事になるなんて。
そしてペトラの身に起こった悲しい出来事を知ることになるなんて、この時は誰も思っていなかった。