ONE PIECE倉庫

□甘い唇
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ビビがゾロと付き合ってるのは知ってる。
けど、だからって、俺がビビを好きでいちゃいけねぇってこともないと思う。

「おいビビ、冒険に行こうぜ!!」
食料なんかの調達のために見えてきた島の港に寄った。
船の居残り番はゾロで、サンジは食料調達のために買出しに行くのはきまってることだけど、それ以外のやつは好きにしていいんだ。
チョッパーとウソップはサンジに付いて町に買出しに行くって言ってた。
ナミは海図を書きたいからと部屋に篭ってる。
だから俺はビビにそう声をかけた。

ビビは冬島に行く前にアラバスタについて書かれた新聞を見ている。
その時に辛そうな顔してたから、冒険に連れ出して少しでも気分転換をしてもらおうと思った。

だけど、ビビが返事をするより先にゾロが目を吊り上げて俺に言った。
「そんなもんには行かせねぇ。」
これは多分、ゾロのやきもちだ。
ゾロはビビが自分以外の男と一緒にいるのが嫌でそう言ったんだ。

だけど、ビビはゾロの決め付けたみたいな言い方に、不快そうに顔を顰めた。
「どうして私じゃなくてブシドーが勝手に決めるの?」
「ルフィについて冒険に行ってリトルガーデンでもあんな目にあったんじゃねぇか!
助かったからいいようなものの、もし死んでたらお前はどうする気だったんだ?!」
ゾロは顔を顰めた。
「でも生きていたんだからいいじゃない?
じっとしてると、嫌なことばっかり考えちゃいそうなの。」
ビビは目を伏せた。

まつげなげーな。
ビビは、なんだか美味そうだ。
俺はビビを見てるといつもそう思う。

「だからって別に冒険なんて危険なことしなくても、船に残って俺と筋トレでもしてりゃぁいいじゃねぇか。」
ゾロも食い下がる。

そんな二人の間にサンジが割って入った。
「このくそまりも!
ビビちゃんの意見を尊重してやれよ。
ビビちゃん、最近あんまりよく眠れてないよね?
目の下にくまがある。
冒険してきて体が疲れれば、案外ぐっすり眠れるかもよ?」
結局、サンジのその一言が決め手になって、ビビは俺と一緒に冒険に行くことになった。
カルーはリトルガーデンの事で懲りたらしく、付いてこなかったので俺とビビは二人きりだ。
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