銀魂

□恋人は人気タレント8
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総悟主演の赤バッジ!は最終回を視聴率35%で終えた。
ずっと笑わないで過ごした九兵衛が、最後の最後で満面の笑みを浮かべた瞬間が、赤バッジ!の瞬間最高視聴率38%を記録したため、総悟・九兵衛、共にこのドラマでさらに高い評価を得たことになる。
特に、今までにない重い過去を背負って笑わなくなった刑事という役をこなした九兵衛への業界での評判は上々で、きみありてこそへの期待も高まっている。

そのきみありてこその撮影は京都でしている。
歴史的な建物が多いため、ロケに適しているからだ。
だから、撮影の間は、スタッフやキャストも京都にホテルを取っていて、そこに泊まっている。

本来なら、俺はずっと京都に詰めてるわけにいかないんだが、顔合わせの時の神威の『俺の子を産んでくれない?』宣言が功を奏し、億が一にも間違いがないようにと、俺も京都に詰めていていいことになった。
とは言え、同じホテルに他のスタッフやキャストがいるため、この撮影の間は九兵衛の部屋に訪ねる事もしないし、九兵衛が訪ねてくる事もしないと二人で決めている。
キャストやスタッフ以外に、高杉先生様もホテルに部屋を取っていて、東京と京都を行ったり来たりしているからな。

初夜のシーンなんかは、家茂と和宮がその後、純粋な愛情で結ばれた夫婦になっていくための大事なシーンだったけど、高杉先生様、しっかり現場にいたしな。

『遠く江戸まで、お疲れでございましょう。』
と労う家茂に和宮が
『上さん、私は望んで降嫁したわけとちがうけど、婚礼を挙げた以上はあなたときちんと夫婦になろう、そう思うてます。
上さんと、恋をしたいと思うてます。
ええですか?』
と笑いかける。

その笑顔に、家茂は心を掴まれ、以後、側室を取ることもなく和宮だけを愛していく。
家茂のそういう態度に、和宮の方も家茂を愛するようになって、徳川歴代将軍の中でも一番仲睦まじい夫婦となっていくわけだ。

そんなシーンとか、他のシーンも削られるわけに行かないからな。
襦袢姿で二人が布団の上で話をするそのシーンは、生々しさがでないよう、演出も監督もすげー気を使って撮っていた。
手を握ることすらさせなかったからな。

高杉先生様への配慮だ。
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