進撃の巨人
□憎いのはお前だけ
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エレンを乗せた馬車と共にエルド、グンタ、オルオが古城に付いたのは日がすっかり落ちてからだった。
エレンをエルドとグンタが抱え、オルオと共に食堂に行くと、そこにはリヴァイだけがいた。
テーブルの上には酒のビンが置いてあり、リヴァイが酒を飲んでいるのだと分かる。
「戻ったか。」
グラスの中の琥珀色の液体を一気に煽ったリヴァイがグラスを置いてエルドとグンタとオルオに視線を向けた。
「はい。
エレンは肋骨の骨折などがあったそうですが、全て完治したそうです。
今は鎮静剤で眠っています。
地下室に運べばいいですか?」
エルドの報告にリヴァイは
「当たり前だ。」
と言って酒のビンに手をかけた。
「兵長、団長が明日の11時に本部に来るようにとのことです。
僭越ながら兵長、それ以上の飲酒は明日に響くかと…」
それを見たエルドが強張った顔でリヴァイの手を見た。
リヴァイは舌打ちをしたけれども何も言わずに立ち上がる。
「あの、ペトラのヤツはどうしたんですか?」
食堂を出て行こうとしたリヴァイはオルオの質問に足を止めた。
「自室で寝てる。」
振り返ったリヴァイの眉間の皺に三人は機嫌が悪そうだと判断し、それ以上は何も言わなかった。