黒子のバスケ

□君という光
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それから4年。

青峰は練習を終えて、家に帰っていた。
駐車場に車を止めて、家に向う。
マンションのエレベーターホールでエレベーターを待っていたら
「大ちゃん、おかえりなさい。」
と後ろから声をかけられて振り返ると、そこにはさつきと長男の大護がいた。


生まれた子を見て、
「パパ、名前はどうするの?」
と聞いてきたさつきに
「大事なものを護れるような強い男になるように大護。
大事とオレの大輝の大に守護の護で大護。」
と言ったらさつきは満面の笑みを浮かべた。
「いい名前だね。
大ちゃんがそんな風に父親になるなんて信じられない。
だけど、私、大ちゃんと結婚できて、大ちゃんの赤ちゃんが産めて幸せだよ。」


息子は4才になった。
今は幼稚園の年少で、青峰と同じくセミ取りやザリガニ釣りが好きで、この間はみみずを集めてバケツにいれ、彼曰く戦利品を先生に見せに行ってそんなものには慣れてるはずの先生を絶叫させたらしい。

「大輝、お帰り。」
そして青峰に似て、尊大でミニ暴君だ。

緑間に
「お前みたいな男がこの世にもう一人いるなんて…大護が桃井のような寛大な女性と出会うことを祈るばかりなのだよ…!
じゃないと大護はきっと一生独身なのだよ!」
と言われ、
「さつきはもう桃井じゃねぇよ。」
と言ったら
「じゃあさつきと呼ぶことにするのだよ。」
と宣言されて、ムカついて緑間のラッキーアイテムの扇子をへし折ったのは一ヶ月くらい前のキセキ+火神との飲み会の時のことだった。

しかし、父親を大輝と呼び捨てとか…マジこいつ尊大。
マジこいつミニ暴君。
顔が自分そっくりなだけに、余計むかつく!

「大輝じゃねぇだろ!
お父様と呼べ、このガキ!」
大護のほっぺたをむにゅーとひっぱったら、
「まぁまぁ…たしゅけて…」
大護が情けない声を出した。

「大くん、いつも言ってるでしょ。
パパ、もしくはお父さんと呼びなさいって。
大ちゃんも、もう止めなよ。」
それでさつきに止められた。

「だってこいつマジ生意気!」

文句を言ったらさつきに笑われた。

「同じ年のころの大ちゃんとそっくりだよ。
おじさんの事はお父さんって呼んでたけど、おばさんのことは名前呼び捨てだったじゃん。
でもね、大くん、なんでもパパの真似すればいいと思ったらダメよ?
大ちゃんのことはパパかお父さんって呼ぼうね?
それと、うすとかおうなんて挨拶の仕方はだめよ?」
さつきの言葉に大護は
「はい!」
と返事をする。

その時、エレベーターが来た。
三人で乗り込み、最上階のボタンを押す。

「ママと大くんのお約束ね!」

「うん、約束げんまん、嘘ついたらオレの目あーげる!
指切った!」

「「え、何その約束げんまんの仕方…」」
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