黒子のバスケ

秀徳の一日マネージャー
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「とりあえず、桃井、その格好でマネージャーをするのはどうかと思うのだよ。」

緑間はさつきに未使用の自分のTシャツを貸す。
女の子としては背の高めのさつきだけど、190センチ越えの男のTシャツをきたらさすがにぶかぶかだった。
それでもビキニだけでマネされるよりはましだ、秀徳のメンバーはそう思った。


それにしても、さつきはマネージャーとして、かなり優秀だった。

「大坪さん、少し早いけど休憩にしませんか?」
練習に集中していた大坪は近寄って来たさつきに耳打ちされ、はっと気がつく。

「少し、疲れてる人もいるみたいなので。」
そう言われて周りを見回せば、オーバーワーク気味の部員がいる。

休憩を告げれば、さつきはすぐさま全員にスポーツドリンクを配る。
炎天下での練習を考慮してか、スポーツドリンクは濃い目に作ってある。
ドリンクと一緒に配られたタオルは冷されていて気持ちいい。
オーバーワーク気味だった人には用意しておいた氷嚢まで渡していた。

「大坪さん、膝の負担軽減するために、テーピングしておきませんか?」
と、体格がいいぶん、膝への負担も大きそうな大坪に負担軽減のためのテーピングを申し出て、手際よくテーピングを施していく。

「ミドリンも、左手のテーピング巻きなおそうか?
汚れてきてるし。」
さつきは緑間の左手の指にもテーピングを巻きなおしていく。

「大坪さん、キセキの世代ってマネージャーも優秀なんすね。」
と大坪に話しかける高尾は、さっきさつきに
「高尾くんってバク転が得意だけあって、下半身は随分と鍛えられてるよね。
あとはボールハンドリングとか、お風呂の時に湯船の中でシュートのスナップするとかして、手首や腕も鍛えるともっといいかもよ。」
なんてアドバイスをもらっている。

「そうだな。」
大坪は自分のところのマネージャーが優秀じゃないとは思わない。
彼女が、優秀すぎるんだと思う。

今日始めて会ったはずの秀徳メンバーとのコミュニケーションもきちんと取っている。

「木村さんのおうちって八百屋さんなんですよね?
白いイチゴっておいしいんですか?」
とか雑談の中で聞いていて、木村は
「うまいよ。
今度あげるよ。」
なんて笑っていた。

情報収集と分析のスペシャリストだから、そんな彼女にマネをしてもらうのは秀徳にとって不利になることもあるとは思うけど、それを相殺させるためか、
「うちのキャプテンはああ見えて、3Pも練習してますよ〜。」
とか、
「若松先輩は自転車が趣味なので、脚力が鍛えられてるから、それであれだけ走れるんです。」
とか桐皇の情報も話してくれる。

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