銀魂

□見廻組一日局長
5ページ/5ページ

7月7日の11:59が過ぎて、7月8日になった瞬間、総悟の腕の中にいた九兵衛が言った。

「総悟くん、お誕生日おめでとう。
生まれてきてくれてありがとう。
総悟くんの両親にも感謝している。
総悟くんをこの世に送り出してくれたから。
総悟くんのお姉さんにも感謝してる。
総悟くんを育ててくれたから。
三人に会えないことは残念だけど…僕が三人の分も総悟くんを愛して、そして幸せにするよ。」

九兵衛の言葉に総悟はぎゅっと九兵衛を抱きしめた。
「九ちゃんはたまにすげェ男前になりまさァ。
そんな男前な告白は聞いたことねェや。
でもありがとう。」


結局、普通に異三郎に
「まだ仕事中です。」
と言われ、二人は離れて九兵衛はその後、きちんと見廻組の一日局長を務めた。

総悟も周りの注目を集めつつも、そのままヤジウマと一緒に九兵衛と見ていたのでそれは知っている。

そして九兵衛は一日局長が終わった後、見廻組の隊服姿のままで総悟と一緒に屯所の総悟の部屋に来てくれた。

「なんでそんな服のままで来たんですかィ?」
と聞いたら
「少しでも早く総悟くんと二人きりになりたくて着替えの時間も惜しかったんだ。」
と九兵衛が言うので、総悟はその言葉にうれしくなって、そのまま九兵衛を押し倒していた。

そして7月8日になった今。
九兵衛からはどんなプレゼントよりも嬉しい言葉をもらうことができた。

「誕生日っていいもんですねィ。」
そう呟いた総悟に
「当たり前だろう、総悟くんの生まれてきたことを祝う日なんだから。」
九兵衛が笑いかけた。

「そんじゃァこれから先もずっと、俺の誕生日を祝ってくれますかィ?」

「当たり前じゃないか。
これから先もずっと総悟くんを総悟くんの両親とお姉さん三人の分も愛して、三人の分祝うよ。」
九兵衛が即答する。

その言葉が嬉しくて、総悟は九兵衛を力一杯抱きしめた。

END
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ