銀魂

□見廻組一日局長
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そして次の瞬間、九兵衛に向って、走り出していた。

いきなり自分に向って走りよってきたサングラスをかけた男に九兵衛は一瞬だけぎょっとしたようだったけど、それが総悟だとすぐに分かったらしい。

「総悟くん!」
九兵衛は目を丸くして叫んだけど、総悟はそんなことはお構いなしに九兵衛に走り寄ると力いっぱい抱きしめた。

「九ちゃんは本当に強ェですねィ。
だけど、恋人の俺をもう少し頼ってくれてもいいじゃねェですかィ?
男は自分の女を守りぬきてェもんでさァ。
もっと俺を頼ってくだせェ。
愛してるから、もっと俺を頼って下せェよ。」

いきなりの総悟の登場にさすがの異三郎や信女も目を丸くして驚く。
だけど九兵衛は総悟の背中にそっと腕を回して抱きついて
「うん。
ごめんね総悟くん。
今度からそうする。
僕も総悟くんを愛してるから、これからはそうさせてもらう。」
と言った。

マスコミやヤジウマも驚いていたが、どこからか拍手が起こった。
拍手をしたのは一番最初に総悟に話しかけてきた男だった。

「いいぞー、沖田!!
九たんのこと幸せにしてやれよ!」
そう言って男は拍手を続ける。

そのうち、他の人もぽつぽつと拍手を始め、拍手はだんだん大きくなっていた。

「俺たち、祝福されてるんだなァ。」
総悟は九兵衛をさらに強く抱きしめて呟いた。
「そうだな。」
九兵衛も総悟の胸の中で頷いた。
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