ONE PIECE倉庫

□どんな宝石よりも
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ビビはベッドに腰掛けると封筒を開く。
便箋には
『誕生日おめでとう。
誕生日だから花を贈ろうかと思ったが、途中で枯れたら意味がないし、酒を送るわけにもいかないし、食い物も途中で腐ったら意味がないからこれを送ることにした。
いつか、世界一の剣豪になってお前を迎えに行くことの約束の証だ。』
と書いてあった。

ビビは慌てて、ベッドの上で封筒をさかさまにした。
封筒からは、むき出しのままの指輪が転がり出てきた。
キラキラと輝く石が付いた、綺麗な指輪。
ビビの目から涙が零れ落ちる。
「どうもありがとう、ブシドー。
すごく嬉しい!」
ビビは指輪をしっかり握り締めて、手紙の続きを読む。

『だけどそれ、実はただのガラス玉だ。
本物は俺が自分でお前に渡したいから、世界一の剣豪になってアラバスタに会いに行った時に持って行く。
宝石も花も何も渡してやれなくてすまない。
けど、心はいつもそばにいる。』

「どんな宝石も、花束もいらないわ。
あのブシドーがこんな手紙を送ってくれた、それだけで私、幸せよ。」
ビビはそう呟いて手紙と指輪を胸に抱いた。
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