銀魂

□盛々様との逢瀬にて
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その時だった。
「柳生のお姉ちゃん!」
盛々様の叫び声が聞こえて、土方は盛々様を守ろうとした九兵衛に何かあったんじゃないかとそっちに気をとられた。

その瞬間、攘夷浪士の蹴りを腹にくらった。
「やろー、調子に乗ってんじゃねぇ!!」
それでも土方は刀を振り下ろした。
しかし蹴りをくらっているので、簡単に避けられる。

「応援はまだか!!」
土方がインカムに向かって叫んだ時、総悟が対峙していた攘夷浪士の一人が吹っ飛んだ。
吹っ飛んできた男に土方が対峙していた男のうちの一人が巻き込まれ、二人はもつれ合って廊下に転がる。

驚いてる土方の視界に赤いものがよぎる。
それが着物を脱ぎ捨てて襦袢姿になった九兵衛だと分かった時には、もつれ合った二人に九兵衛が懐剣の柄の部分でみぞおちの部分を殴り、悶絶してるところを首筋に手刀を叩き込んで気を失わせた。

そして即座に立ち上がると呆然としてる攘夷浪士二人をあっという間に倒した。

土方も総悟も呆然としている。
そこに山崎を先頭に応援が駆けつけてきた。
「副長大丈夫ですか!
盛々様は?!」
山崎に聞かれ、慌てて盛々様を探そうとした土方の耳に
「大丈夫だ。」
九兵衛がそう答えたのが聞こえた。

その九兵衛を見て、土方は驚いた。
真選組隊士たちは赤面している。

九兵衛は赤い長襦袢姿で攘夷浪士四人を瞬殺したので、当然襦袢も乱れていたからだ。
右側の太ももはあらわになり、胸元も乱れてさらしが見えている。

「女がそんな格好して堂々としてるもんじゃねェですぜィ。」
総悟がそう言って自分の上着を脱いで九兵衛の肩にかけた。
「ありがとう。」
九兵衛はそう言って、廊下の隅に行く。
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