銀魂
□先生は旦那様
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昼休みのこと。
僕は妙ちゃんと一緒にお弁当を食べていたが、聞こえてきた声に顔を上げてしまった。
「剣道部の沖田先輩ってかっこいいよね?」
「かっこいい。
けど、同じ剣道部なら北大路先輩のほうが私の好みだな〜。」
「私は顧問の土方先生の方が好きだなー。
結婚さえしてなかったらなぁ。
アタックしたのに。」
クラスメートの会話に出てきた『土方先生』の名前に僕の心臓は飛び跳ねた。
「どうかしたの、九ちゃん?」
妙ちゃんにそう聞かれて僕は慌てて首を振る。
「なんでもないよ。」
その時、校内放送がかかった。
「一年三組の柳生、剣道部部室に来なさい。」
「九ちゃん、呼び出されるようなことを何かしたの?」
校内放送を聴いて、妙ちゃんが目を丸くする。
他の子たちも驚いたように僕を見てた。
「ああ!!
そういえば、女子部の事で土方先生に呼ばれてたんだった!
忘れてたよ、いって来るね!」
僕はそう言って走って教室を出て行く。
制服のブラウスの中で、ネックレスにつけてあるリングが揺れた。