銀魂
□恋に、堕ちた
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ふざけんなよ、上様こねぇなら帰らせろ!
そもそもなんで祭りの警備なんかやんなきゃなんねぇんだ!
内心ではそう思うが、土方はそれを隠して隊士たちに指示をだす。
今日はかぶき町の夏祭りの日。
本来なら祭りの警備など真選組の仕事ではないのだが、今回は将軍とその妹君のそよ姫が来るというので、真選組がこの祭りの警備にあたることになっていた。
が、直前になって、どんな理由かは分からないが上様もそよ姫も祭りへの参加を取りやめた。
しかし、上様とそよ姫が来る前提で警備の布陣をしいていた真選組は、一般の警察を警備につけていなかったため、そのまま警備をすることになってしまった。
夜とはいえ、夏だから暑い。
さすがに隊服の上着は脱いでいるが、それでもしっかりとした生地で作られたベストやズボンは暑いのだ。
その上、幹部である土方は首元にスカーフを巻いている。
その首元のスカーフがまた暑い。
暑さが苛立ちを倍増させて、土方の機嫌は悪かった。
いや、機嫌が悪いのは土方だけではない。
真選組の隊士たちはみんな機嫌が悪かった。
だから、喧嘩の仲裁は荒っぽいものだったし、ナンパなんてしてる男には注意という名の容赦のない制裁を加えていたりした。