銀魂

□そんな君でも愛してる
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土方くんは残った写真に手を伸ばす。

僕は、反射的にその写真を土方くんから取り上げた。

土方くんの顔が怒りで歪む。

「そんな過去と、俺と、お前はどっちをとるんだ?!」

「どっちをとるとか、そんな簡単な問題じゃないだろう?!
土方くんは土方くんで僕の大切な人だ。
でも過去は今の僕を作ってくれた僕のものだ、比べられるものじゃない。
そもそも比べるものじゃないだろう?!」

「俺が好きならそれを捨てても平気だろ?!」


どこまでいっても平行線だ。

でも土方くんを失いたくは無い。
僕は震える手で写真を破いた。
二つに裂いただけだったけど、土方くんは満足そうな顔になって、僕をぎゅっと抱きしめた。

「俺は、お前との未来だけあればいい。
お前もそうだろ?」


僕は土方くんを大人だと思っていた。
けど、彼と恋人同士になってから実はそうでもないことを知った。

妙ちゃんと出かけるといっては機嫌が悪くな
り、銀時と道で出会って立ち話をしてたのを見かけたといっては怒り、だからなんにも言わないようにすると今度は一日の僕の行動を根掘り葉掘り聞いてくる。

僕は土方くんを失いたくない。
好きだ。

でも時々、すごく怖くなる。
土方くんが、別の人のように思えてくる。

僕の好きになった土方くんはこんな人だったろうか、そう思う。

それでも、僕の腕は土方くんの背中に回った。

土方くんが別の人のようでも、僕が好きになった土方くんじゃなくなってたとしても。
全て含めて僕は土方くんを愛してるから。

END
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