銀魂

□The secret is necessary
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殴り飛ばされた銀時は吹っ飛んで、浮き輪を使って一人で泳いでいた九兵衛にぶつかった。

水しぶきがあがって、それが収まったとき九兵衛の姿はどこにもなく、浮き輪だけが浮いていた。

「若!!」
「九ちゃん!!」
騎馬戦することに夢中で九兵衛の動向を気にしていなかった東城と、不埒な輩を殴ることに夢中だった妙が九兵衛が消えたことに気が付いて叫ぶ。

九兵衛は一度は水面に顔を出したがすぐにまた沈んだ。

「九ちゃんは泳げないのよ!!」
妙が叫び、九兵衛に向かって泳ぎだす。
それは、東城も同じだった。

土方もパーカーを脱ぎ捨てるとプールに飛び込んだ。
今までの人生の中で、ここまでまじめに必死に泳いだことは無かっただろう。

誰よりも早く、土方はおぼれてる九兵衛の元につき、その腕を引き上げて水面に顔を出させる。
そして気が付いた。
九兵衛の足は、このプールに届いていなかった。
苦しそうに咳き込みながら涙をこぼしてる九兵衛を、土方は肩に担ぎ上げた。

「貴様、若になんてことを…」
土方は東城に冷ややかな視線を投げかける。
「そんなに大事なら、若から目を離すんじゃねぇよ。
俺だったら、大事な女からは目を離さねぇ、絶対にな。
こいつ、このプールじゃ足が届いてなかったじゃねぇか、そんなことも気が付かなかったのか!」

土方の言葉は確かにその通りで、東城はそれ以上は何も言えなかった。

九兵衛の方は咳き込みながらぐったりしていて、土方に担ぎ上げられたままだった。

「山崎!
タオルもってこい!」
土方はそういいながらプールから上がる。
すぐに山崎がタオルを持ってきた。
それを九兵衛に掛け、土方は医務室に向かう。
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