ONE PIECE倉庫

□キスだけじゃイヤ
1ページ/3ページ

ログが溜まるまでの間、くじにまけて船番になったゾロ以外は島に上陸して、ゾロは一人、船でトレーニングをしていた。

ビビはゾロと一緒にここに残りたそうだったし、ゾロもビビに残ってほしいと思ってたけど、ナミが
「たまには女同士で出かけましょ!」
とビビを連れ出してしまったのだ。


だけど太陽が沈み、ゾロがサンジの作っておいてくれた食事を一人で食べていたら、
「ちょっと!
ゾロ、早く出てきなさいよ!」
と自分を呼ぶ声が聞こえて、ゾロは慌てて甲板に飛び出した。
そこにはビビを支えているナミが居た。

「おい、これはどういうことだ?!」
船から下りてナミとビビに近寄ると二人はすごくお酒臭くて、ビビは多分酔っているんだろうと思ったゾロはナミにきつい口調で問いただす。

「だからぁ〜酔っ払っちゃって手に負えないから連れてきたの。
あたし、まだ飲み足りないから戻るわ〜。
……今日は誰もここに戻ってこないから、もうすぐアラバスタに着くし、今後の事、よく二人で話すといいんじゃない?」
ナミの言葉に
「バカか、こんなに酔ってどうやって話すって言うんだよ?!」
とゾロは怒鳴ったが
「酔ってるからこそ本音が聞けるかもしれないでしょ?」
ナミはあっさりと言う。

「本音が聞けるって…ビビ寝てんじゃねーか!」
とゾロはもう一度怒鳴ったが、ナミは気にせずに戻っていく。

ゾロはため息をつくとビビを抱き上げた。

船に戻って女部屋のビビのベッドに寝かせる。
ナミは話をしろって言っていたが、ビビは完全に寝ている。

何を話せって言うんだ?
ゾロがそう思った時、ビビの目が開いた。
「のどかわいた…」
ビビはそう言ってまた目を閉じる。

だけどゾロはビビのために台所に水を取りに行った。

戻ってくるとビビは目を閉じていたけど、ゾロはビビを起こす。
「ビビ、ビビ、起きろ!
水を持ってきたぞ。」
揺さぶるとビビは目を開けた。

そしてその顔はふにゃっと崩れる。
「あ〜ブシドーだぁ〜」
ビビはゾロに抱きつく。

「うぉぁ!」
ゾロはいきなり抱き付かれて驚くが、ビビはさらに強くゾロに抱きついてくる。
その力は思っているよりずっと強く、ゾロは水を床に落としてしまった。

「おい、水落としちまったじゃねーか!」
ゾロはビビに怒るけど、
「水なんかどうでもいいじゃない〜!
ブシドー、大好きぃ!」
とビビは普段からは考えられないほど甘い声でゾロに囁く。

「ああ分かった、分かったから落ち着け、な。」

ビビの背中を優しく撫でるゾロにビビが言った。

「じゃぁ抱いて?」

「はぁっ?!」

ビビが自分の耳元で囁いた言葉にゾロは唖然とする。

「抱いて?」
ビビはゾロをじっと見つめる。
その顔は真剣だった。

「お前、酔ってるだろ。
未成年のくせに酒なんか飲みやがって。
だからそんなこと言うんだ。
そういうことは簡単に口にだすことじゃないし、俺は酔ってる女を勢いでやっちまうようなこともしねぇ。」
ゾロはビビに言い聞かせる。

「酔ってなきゃ言えないわ。
でも私はあなたに抱かれたいの。」
しかしビビも引かなかった。

「お前、何言って…。」

「キスだけじゃイヤ。
私はあなたを愛してるから、キスだけじゃいやなの。」

ビビの顔はお酒のせいで赤くなっていて、目も潤んでいて、ゾロはこのままビビを押し倒してしまいたい衝動に駆られるけれど、それを必死で抑えた。

「俺もお前を愛してるけど…」

「ブシドー。
お願い。」

ビビの潤んだ目にゾロの理性が飛ぶ。
ビビを抱きしめて激しく口付けた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ