ONE PIECE倉庫

□この世界にお前だけ
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「ねぇ、ブシドーはなんで世界一の剣豪になりたいと思ったの?」
今日はビビが深夜の見張り番だった。
だから俺はクルーが寝静まった頃、見張り台に行った。

俺とビビは、つき合ってる。
別にやつらに隠してるわけじゃねぇが、何となく照れくさくて、一緒に見張り台に行くことはしない。

だから俺は全員が寝静まった頃に酒を持って見張り台に行った。
ビビは上ってきた俺を見て笑顔になった。
ビビはあまり酒は飲まないから俺だけが酒を飲んで、ビビはバカコックから差し入れされたハーブティーとやらを飲んでいた。
そうして色々な話をしている中でビビにそう聞かれた。

「ガキの頃に、どうしても勝てなかったやつがいる。
すごく強くて、どうにも勝てなかった。
そいつに勝ちたくて色々な鍛錬を積んだ。
それでも0勝2001敗。
一回も勝てなかった。
そして一回も勝てないまま、くいなは死んだ。
だから俺は決めたんだ。
あいつの分も強くなるって。
天国のあいつにまで俺の名前が届くように世界一強い剣豪になるって。
こいつはそいつからもらった刀だ。
この和道一文字は。」
腰に挿した刀の柄を握った俺に
「そうなの、その男の子との約束だったのね。
いつか世界一の剣豪になれるといいね。」
ビビはそう言って微笑んでくれた。


そんなビビに向かって、俺は
「くいなは男じゃねぇ。
女だ。」
と言った。
思えば、その時ビビの顔が一瞬だけ驚いたような顔になった気がする。
それは一瞬だったから、俺は気にもとめてなかったけど。
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