☆長編☆

□:第4章:
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私がデュラララ!!のキャラで一番好きなのは、「折原臨也」という
少し変わった名前の男だった。
イラストレーターの方が書く、臨也の顔はカッコイいし
小説の中でだけなら、すごく大好きだった。



だが、私は何にでも感情移入しやすい質だった為
臨也のする事が、ひどく嫌だった。

だから自分の一番好きなキャラである臨也が、一番嫌いでもあった。



少し性格が悪いなら、我慢できた。

でも、臨也の性格の悪さは異常だった。



気持ち悪かった。

吐き気がした。




それこそ、小説の中の正臣が言うように

表現するなら―――
















―――『反吐がでる。』


気がついたら口に出ていた。



目の前には、今の私の思考の中心にいた
折原臨也が座っている。


「いきなりだね。
少し黙ったかと思えば、反吐がでる…ねぇ。」


またしても悪態をつかれた。


『…あ、すみません。
気がついたら声になってました。ははっ』


私は謝っているのかよくわからないように、力なく答えた。


「まぁいいや。
とりあえず、いくつか質問していいかな?佳月ちゃん。」


いきなり名前を呼ばれ、私の肩がぴくんと動くのがわかった。


『あ、はい。どうぞ。』


私は素っ気なく答える。


「まずは…そうだなぁ、なんで俺を見て泣いたのかが知りたいな。」


…いきなりそれか。
上手く答えられる自信がない。


『…上手く、言えないんですが。
折原さんを見た瞬間、私の中の何かがぶわあってなって…。
ま、一言で言うと。
恐怖、ですかね。』

「恐怖?
…ちょっと待った。
君さ、さっきも訊いたけど俺と会ったことある?」


ない。
あるわけがない。
だってトリップしたんだから。
…なんて、まだ言えない。


『んー…、4日以内に会ったことがなければ。
ないはずですが。』

「4日以内?
なに、君上京してきたとか?
こんな微妙な時期に?」


上京なんてものだったら、どんなに楽だっただろう。
だいたい、今は2月。
上京にしては本当に微妙な時期だ。


『上京じゃないですけど、まぁそんな感じです。
…異次元からの、みたいな?』


すこし笑いながら言う。


『折原さん。
もう全て話します。
訊きたいことがあれば、好きなだけ訊いて下さい。
そして全て真実です。』


私は一気に告げると、臨也に向かって座り直す。
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