愛のバクダン〜second season〜
□プロローグ
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―結愛side―
―――陵泉高校・昼休み。
何気なく携帯電話を見たら、
カッちゃんからメールがあった。
カッちゃんからメールがある事自体、レア。
お昼休みなんて超レア。
もうかなりテンション上がっちゃう。
「神坂?」
同じクラスの鈴木君が声を掛けてくれたけど、
「え?あ?何?
ちょっと待って…」
携帯のメールを開封するのに夢中で、
上手く話せなかった。
『メール本文:
今日は早く終わるから、
学校終わったら来るか?』
絵文字もないし超短い。
前置きも何も無い。
けど、
カッちゃんのお仕事が忙しくて、
土曜も日曜もお客様との打ち合わせがあって、
2週間くらい会えてなかったから、
『行く!』
いっぱいハートの絵文字を付けて、
速攻返信した。
「ごめんね、鈴木君。
なんだった?」
「送信を完了しました」の文字を見て、
顔上げたらもうそこには鈴木君の姿は無かった。
「あ、れ…?」
(なんだったんだろう?
ちょっと悪い事しちゃったな)
そう思いながらも、
思ってたよりも何日も早くカッちゃんに会える事に、
テンションMAXになって、
お弁当を持ってみーちゃんに会いに隣のクラスに向かった。
.・。*.・。゜☆.・゜*。・.
(出掛けるなら出掛けるって、
メールで教えてよぉ〜!!!)
―――放課後、
デニムのパンツと小花柄のカットソーに、
レースのついた単色のパーカーという、
物凄くシンプルな格好でカッちゃん家に行った。
『早い』って言っても定時終わりで、
夕飯食べてマッタリするだけだと思ったんだもん。
結愛がカッちゃんチに着いたら、
カッちゃんはもう既に私服で
車のキーなんか持っていて、
「来たか。
出掛けるぞ」
結愛は靴を脱ぐ間も無かった。
(もっと可愛い格好してくれば良かったよ〜。
教えてくれたらよかったのにぃ!!)
シートベルトを締めながら、
カッちゃんの横顔を睨んでみたけど、
久々に見るオフモードのカッちゃんの、
鼻のラインだとか、
少し笑ってる口のラインだとか、
そんなのが格好良くて愛おしくて、
胸の奥がキュンとした。
(会えなくて寂しかったよ…)
カッちゃんにくっ付きたくなったけど、
運転中で危ないって怒られるから、
カッちゃんの服の裾をキュッと握ってガマンする。
「どこに行くの?」
結愛は目的地を聞いたのに、
カッちゃんは
「間に合うかな…」
そう呟いただけだった。
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