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□第1話 我が家の休日
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第一話
『我が家の休日』










季節は夏。
オレは2階にある自分の部屋で有意義な時間を過ごしていた。
いつも居るはずの兄弟たちは居ないしクーラーが効いてて涼しいったらありゃしない。
珍しく読書でもしようかと思ったくらいだ。


−ドタドタドタッ


誰かが階段を勢いよく上がってくる音が聞こえる。
だけどその音はひとつじゃなさそうだ。
なぜなら…


−ばったーんっ


守「にーちゃん!」
塔「しんにぃーっ!」


こうなるからだ。


さっきまでの有意義な時間はほんの一瞬なわけで、ここからはこいつらの時間だ。



真「どうした〜お前ら」

守「ねーちゃんがせつでんのためにくーらーとめろだって!」

塔「とめろーっ!」

真「またかよぉ〜もういい加減…」

一郎「お前こそいい加減1人でクーラー使うのやめろ!」

真「げっアネキ」

一郎「いいか?無駄なんだよ!分かったらさっさと止めて下に降りて来い!」

真「節電とか言って結局下でクーラーつけてんじゃねぇーかよ!!」

一郎「つけなかったら暑いだろうが!」

真「じゃあ節電じゃねぇーじゃん。」

一郎「だからみんなリビングに集まってんだろ!」

真「あー、そーですかー」

一郎「お前なぁ…」



アネキと話してると暑くて仕方ない。
せっかくの涼しさが台なしだ。


一郎「とりあえずクーラー止めて降りて来いよ!」
真「へーへー」


止めればいいんだろ、止めれば。
これだから夏は…。


守「にーちゃんはやくいこーよ!」
塔「いこーっ!」
真「行くから静かにしろお前ら」





下へ降りリビングへ向かう。



真「あー…あぢぃー」
一郎「暑いって言うな!暑くなるだろ!」
真「アネキだって言ってんじゃん!つかやっぱクーラー最高」



あ、でも…


真「大勢いると暑苦しいなぁ〜」

一郎「文句ばっか言ってるんじゃない!」

真「アネキもイチイチ突っ掛かってくるなよな〜」

竜「お前ら二人共うぜえよ」

真「オヤジ…」一郎「父さん…」

竜「じーさんとばーさんでも見習って静かにしてろ」

一郎「見習えって言われても…」

真「なぁ…?」

士「竜吾くん、僕たちに見習う所なんてこれっぽっちもないよ」

飛「そうだぞ?暑いのは暑いし、まぁ仕方ないよな」

士「そうだよ。僕暑くて死にそうなんだから」

竜「じゃあ離れろよクソジジィ」

士「竜吾くん涼しそうだったから、つい」

真「オヤジー、オレじーちゃんみたいには出来ないや」

竜「そういう意味じゃねえよ!!!」



つかもう暑いのとかどうでも良くなってきた。



守「かーちゃんはらへったー!」

塔「ママ!ごはんはー?」

修「え、あ…悪いな二人共まだ作ってない」

守「えー!」

塔「ママぐあいわるいの?だいじょぶ?」

修「すまない。具合は悪くないんだが…」

真「またかよ母さん」

修「だ、だって有り得ないじゃないか!こんなに平和なんて…」

真「現に有り得てるだろ」

修「でも今日の暑さは異常じゃないだろ!?だからきっと何かが迫って来ているんだ!地球に!」

竜「何もこねえよっ!」

修「分からないだろ!竜吾!」

竜「いいや、分かるね」

修「どうしてお前はいつもそうやって俺の考えを全否定するんだ!」

竜「有り得ねえから」

修「有り得る!」

竜「ねえよ!」

修「ある!」

竜「このアホッ!」

修「分からず屋ッ!」



何だよこれ…
あぁーもう呆れる。



一郎「みんなー飯作ったぞー!」

守「わーい!やった!」

真「アネキ、いつの間に…!!?」

一郎「ささっとな。父さん母さんも冷めないうちに食べろよー」

竜「飯か…」

修「悪いな、一郎太」

一郎「いつものことだろ」



まぁ、なんだかんだでみんなアネキの作った飯にたかるわけで


真「あ、美味い!さすがアネキ!」
一郎「おだてても何も出ないぞ」


仲良いんだか悪いんだか分からない


これがオレの家族です。









続く!


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