肉食系彼女!

□第一話 肉食系女現る!
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あの日から約一週間がたった。
あのイケメンとはあれ以来会っていなく、今までと変わらない極平凡な日常を送っていた。


「千尋。」
低くて甘い声が教室の端から聞こえてくる。
「?なに、雅樹?」
背がすらっと高く、少し眠そうな目をした少年が千尋の前までゆっくりと歩いてくる。
「今日、葵と帰りたいから掃除当番代わって。」
「……はっ?」
「俺の葵が待ってるから、じゃ、そういうことで」
そう言い残し、いつの間にかいなくなってしまった雅樹。
「ちょ、っていねーし…」
頭を掻きながら、一回ため息をつき、だるそうに掃除用具箱の中の箒を取り出す。
「俺だってこのあと、本屋行こうって決めてたのに…」



辺りはもう赤く染まっていて、家に帰ろうとしている小学生の姿が見える。
「永平の野郎、マジむかつく!なぁーにが机が3_曲がってだ!んなとこ誰も気にしないっての!」
周りの迷惑そうな目も気にせずに、大声で喚く千尋。
「雅樹のバカヤロー!」
「近所迷惑なんじゃない?」
「え?」
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