眠らぬ街のシンデレラ
□本音*遼一
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ああ いつのまにこんなにも綺麗になってしまったんだろう
遼一は楽しそうに話をする名無しさんの顔を見て改めてそう思った。
「ジェットコースター楽しかったなあ。あと水族館もたくさん魚が見れて楽しかったなあ。って廣瀬さんどうかしたんですか?」
「んー」
「なんか心ここにあらずって感じですね?」
「俺の一番大切なものについて考えてた。」
「大切なもの?それってなんですか?」
「さあ?」
「じゃあ当ててみせます」
「ふーん。やれるもんならやってみなさい」
「えーと、廣瀬さんだからー・・・お金?」
おいおい、それはないだろ。それも何だよ廣瀬さんだから、って。
「それじゃ俺が金のことばっか考えてるみてーじゃん」
「違うんですか?」
「あたりまえだ」
「じゃあなんだろう」
俺のことについて必死に考えてるこいつの顔、やっぱ可愛いな
今すぐにでも抱きしめてえ
なーんて思うのはやはり歳のせいなのだろうか
「あのっ」
「なんだ?」
「ヒントください!」
ヒント?まあいいだろ。
「ヒントはなあ、女。」
「えっ女の人なんですか?」
こいつ、自分で言ってショック受けたような顔しやがって・・・
もっと いじめてぇ・・・
「俺、そいつにキスしたいと思っててさー。でもそいつ堅物なんだわ。俺、そいつにキスさせてもらえると思うか?名無しさん?」
「し、知りませんよそんなの!! 私に聞かないでください」