Series/mix-b

□一朝一夕
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「あ、神童くん」

「また会いましたね」


 柔らかく笑みを零す彼、神童くんとは最近やけによく会う。今日でもう7回目だったかな。同じ学年でもないし、特別仲がいい訳でもないのに。


「…あの、先輩!」

「ん、どうしたの?」


 神童くんが私を呼び止めた。


「部活もないし…い、一緒に帰りませんか?」


 心なしか神童くんの顔が赤いのは気のせいか。いいよ、と答えて続ける。


「校門の前で待ってるね」

「は、はい!」


 神童くんは本当可愛いなあ、と思う。よし、残りの2時間もがんばるか!なんて気合を入れた。結局時計ばっかり気になって、集中なんて出来なかったけど。


「…お、遅れてごめんね神童くん」


 帰りのホームルームが終わって急いでここまで来たはずなのに、もう神童くんはそこにいた。それなのに神童くんは、全然待ってないですなんて言っていつもの可愛い笑顔をくれた。癒されつつも歩を進め、他愛のない話を楽しむ。すると、神童くんがふと言った。


「いつまでもこの時間が続けばいいのに」


 神童くんを見ると、…不謹慎でしたねと苦笑した。


「ううん、私もそう思うよ」


 空気はもう微かに暖かさを持っていて、もうすぐ、か。と思い知らされた。



一朝一夕









■反省会
これって春ネタじゃね?とか思った人、大正解。私も思いました。
神童くんってこんな感じじゃないよな…
お粗末さまでした。


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